食の歳時記|冬
福梅 辻占 福徳
金沢の風情を写したような正月菓子
金沢では正月になると決まって食べる和菓子がある。
かぶら寿司
日本海側の発酵食を代表するなれずし
日本海側の発酵食を代表するなれずし
ごはんに魚をつける「なれずし」のうち、米麹を使うものを「いずし」と呼ぶ。普通のなれずしよりも甘みがあるのが特徴だ。いずしは北海道から鳥取県の日本海側までで見られ、寒い冬でも発酵が進むように米麹を加えている。いずしは体によいといわれる乳酸菌を大量に含むことでも知られる。
治部煮
加賀料理の定番といえる逸品
加賀料理を供する料亭や割烹などでよく出てくる一品が治部(治部煮)である。江戸時代初期の料理書にはすでにその名が登場し、「じぶじぶ」と煮込む時の音からその名がついたとされる説(しかし、その当時のものは「ごった煮」のような料理で今の治部煮とは違っていたという説もある)や、豊臣秀吉の兵糧奉行だった岡野治部右衛門が朝鮮から伝えた説のほか、鴨肉に粉(小麦粉または片栗粉)をまぶすという郷土料理ではあまりない調理法から南蛮渡来の説やフランス料理の「ジビエ」からついたなどがあるが、明確な記述が残っていないため推測の域を出ない。