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食の歳時記

食の歳時記|冬

福梅 辻占 福徳

正月菓子 福梅 辻占 福徳 正月菓子金沢の風情を写したような正月菓子

金沢では正月になると決まって食べる和菓子がある。
最も代表的なのが「福梅」。梅の形をした最中で白と薄紅の2色がある。中には日持ちさせるために水あめを練り込んだ硬めのつぶあんが入っており、かなり甘め。その由来は諸説あり、前田家の家紋「剣梅鉢」をモチーフにした説、前田家の祖先とされる菅原道真を祭った北野天満宮の大祭の献茶式でふるまわれた餅菓子「寒紅梅」をヒントに考案された説などがあるが、京都の千家から同地の加賀屋敷に贈られた進物が金沢城下に伝わり、広まる過程で“前田家の家紋をかたどった”といわれるようになったと推測される。今も金沢の和菓子店で年末につくられ、店ごとに微妙に味が違う。石川県全域、さらには富山の一部地域でも食されている。
次によく見るのが「辻占」。砂糖と餅粉を混ぜて巾着包みにしたお菓子で、中には小さなおみくじが入っているため食べる前に出す。形は花をかたどったり五角に包んだりする。正月前後にしか出回らず、金沢近郊のみで食される。
「福徳」はふくとく・ふっとこ・ふっとくなどと読み、正式には「福徳煎餅」という名前で売られている。打ち出の小槌や俵などをかたどった、最中の皮のような焼いた餅種の中には金菓糖や小さな土人形が入っており、食べるまで中は見えないため、古くはこの中身で子どもたちが一喜一憂した。文化6(1809)年、12代加賀藩主の前田斉広(なりなが)が祝賀用の菓子づくりを命じ、前田家御用の職人・7代樫田吉蔵の妻の発案をもとにつくられたといわれる。明治期に民間まで広がったが近年は廃れ、1社でしか製造・販売されておらず、しかも正月の時期にしか入手できない。

問い合わせ先

石川県菓子工業組合 TEL076-221-8366