食の歳時記|春
金花糖
雛壇飾りに彩りを添える砂糖菓子
金沢の雛飾りに欠かせない和菓子「金花糖」。
これは鯛やサザエ、ハマグリ、たけのこ、ナス、桃、キュウリ、ブドウなど1年の海山の幸を模った砂糖菓子で、お雛様に添えられる。その発祥には諸説あるが、江戸時代南蛮菓子として長崎に伝わったとされる金平糖の影響を受けて作られるようになり、全国各地に菓子として定着したといわれる。
飾り終えた金花糖の使い方は、煮物など料理の味付けが一般的で、小さく刻んでアメのようにほおばったり、コーヒーに入れたりしてもいい。砂糖がまだ高価だった時代には、半紙に包んで近所に配られたりもしていた。かつては婚礼のときにも引き出物として使われていたが、近年はあまり見かけなくなっている。
なお金沢では、雛祭りを3月3日から一月遅れの4月3日に祝うこともある。
市内菓子店では金花糖の製造に力を入れている店もあるが、店によっては取り扱っていないこともある。販売している場合も1月初旬から5月頃までに限られる。
問い合わせ先
石川県菓子工業組合 TEL076-221-8366
食の歳時記|春INDEX